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02坤為地 こんいち「旧約聖書」天地創造1日目を構成する5卦(未済・乾・坤・屯・蒙)のひとつ。詳細はコチラ。 坤 (こん) 八卦の 坤とは、従順、おとなしい、といった意味。
【書き下し】坤は、元いに亨る、牝馬の貞しきに利ろし、 元いに亨るとは、大いに通じる=目的を達成できる、ということであって、その義は乾の卦辞と同じである。 【書き下し】君子、往く攸有れば、先には迷い、後るれぱ主を得る、貞に安んずれば吉、 君子とは、下の者の上に立つ人物を指す言葉だが、この卦においては臣や妻など、同時に上に従うことも大事にしなければいけない立場の者を指す。 【書き下し】西南に朋を得、東北に朋を喪うに利ろし、 西南に朋を得るとは坤の陰卦を以って同朋の陰卦の方角に往くこと、東北に朋を喪うとはその逆の陽卦の方角に往くこと。 【書き下し】君子、往く攸有れば、先には迷い、後るれぱ主を得る、貞に安んずれば吉なり、 以上が陰徳として |
【書き下し】彖に曰く、至れる哉、坤の元は、万物資りて生ず、乃ち天に順承す、 至哉とは偉大だということ、乾為天の大哉と対比して至哉と云ったもの。 【書き下し】地は厚くして物を載す、徳无疆に合す、含弘光大にして、品物咸く亨る、 坤地の徳は重なり厚くしてよく万物を生じ育て、よく万物を負い載せていて、限りがない。 【書き下し】牝馬は地の類いなり、地を行くこと疆り无し、柔順にして貞しきに利ろし、 馬は人によく馴れ服する獣だが、これは柔順の性質だからであって、まして牝馬は柔順の至極であるから、坤地の類だと云う。 【書き下し】君子行く攸あるとき、先だてば迷いて道を失い、後るれば順にして常を得る、 君子とはひろく学者を指す。 【書き下し】西南に朋を得るとは、乃ち類いと行うなり、東北に朋を喪うとは、乃ち終わりに慶び有るなり、 陰の朋すなわち生家の母や姉妹と馴れ親しむより、陽の男性の元に嫁げば、陰の朋を喪っても、陰陽が交わってやがて子が生まれるという大きな喜びがあるのだ。 【書き下し】貞に安んずるの吉とは、地の疆り无きに応ずるなり、 ここでの貞は常のこと。常は陰の道にして、臣たる者、妻たる者の従うべき大道である。
【書き下し】象に曰く、地勢は坤なり、君子以って徳を厚くして物を載す。 地勢の勢の字は、乾の象伝の天行の行の字と相対しているのであって、天行乾は気を以って説き、地勢坤は形を以って説いているのだ。 |
上六━ ━ 【書き下し】初六は、霜を履みて堅き冰至る、 【書き下し】象に曰く、初六、霜を履むとは、陰始めて凝れるなり、其の道に馴れ致さば、堅き冰に至らんとなり、 六とは、老陰のこと。 ちなみに、人体に爻位を当てはめるときは、各卦によって多少の違いはあるが、概ね初爻を足、二爻を脛〜膝あたり、三爻を股、四爻を腹、五爻を胸〜顔、上爻を首〜頭とする。 さて、坤為地は十二消長で言えば旧暦十月、冬の始まりのときの卦である。 陰邪姦悪が萌芽するときは、初めは微弱にして初霜のようにすぐ消えてしまうようなことであっても、そのまま改めなければ、ついには堅い氷のような大悪に至るであろうことは、必定である。
上六━ ━ 【書き下し】六二は、直方大、習わざれども利ろしからざる无し、 【書き下し】象に曰く、六二の動きは、直以って方なるなり、習わざれども利ろしからざるなしとは、地道光れるなり、 直は順直ということ。 このように、直とは順直にして徳を持って言い、方とは方正にして形を以って言い、大とは広大にして功を以って言うのである。 成卦の主爻とは、その卦を成立させるとともに、その卦の中心となる徳性を具えた爻を言う。 およそ天下の事理は、習うことで、それを知り、記憶し、上達するものだが、すでに順直方正広大の全徳を具足しているのだから、これ以上に習う必要はない。
上六━ ━ 【書き下し】六三は、章を含めり、貞ある可し、王事に従うこと或らば、成すこと无くして終わり有るべし、 【書き下し】象に曰く、章を含めり、貞ある可しとは、時を以って発すべしとなり、王事に従うこと或りとは、知光大なるなり、 章とは、事が成ることをいう。 この坤為地は六爻純陰であり、陰は臣だから、臣下の卦象である。 要するに、気心の知れない人から意見されると、それがどんなに正しくても、不快に感じることがある。 なおかつこの爻は、不中不正である。 したがって、その遇不遇には構わず、忠信を主とし、誠実を尽くして、決して変革を求めないことである。
上六━ ━ 【書き下し】六四は、嚢を括る、咎も无く誉れも无し 【書き下し】象に曰く、嚢を括る咎无しとは、慎めば害あらざるとなり、 坤は臣の卦にして、この爻は君位に近く、柔順にして正を得ている。
上六━ ━ 【書き下し】六五は、黄裳元吉なり、 【書き下し】象に曰く、黄裳元吉とは、文、中に在るなり、 黄は中央の土の色であり、中の喩えである。 この卦は、初六から六四までは、六五の位を君上として解説している。
上六━ ━○ 【書き下し】上六は、竜野に戦う、其の血玄黄なり、 【書き下し】象に曰く、竜野に戦うとは、其の道、窮せるなり、 竜野に戦うとは、二つの竜が野に戦うことである。 この卦は純陰にして、この上爻はこれまた卦の極に居る。
上六━ ━○ 【書き下し】用六は、永く貞あるに利ろし、 【書き下し】象に曰く、用六永く貞あるは、以って大いに終わるなり、 用六とは、本筮法や中筮法で占い得たとき、すべての爻が老陰すなわち爻卦が坤のときをいう。 この坤為地は純陰にして全体の意は、臣の道、妻の道である。 |
究極の易経解説 メニュー 01.乾為天 02.坤為地 03.水雷屯 04.山水蒙 05.水天需 06.天水訟 07.地水師 08.水地比 09.風天小畜 10.天沢履 11.地天泰 12.天地否 13.天火同人 14.火天大有 15.地山謙 16.雷地予 17.沢雷随 18.山風蠱 19.地沢臨 20.風地観 21.火雷噬嗑 22.山火賁 23.山地剥 24.地雷復 25.天雷无妄 26.山天大畜 27.山雷頤 28.沢風大過 29.坎為水 30.離為火 31.沢山咸 32.雷風恒 33.天山遯 34.雷天大壮 35.火地晋 36.地火明夷 37.風火家人 38.火沢睽 39.水山蹇 40.雷水解 41.山沢損 42.風雷益 43.沢天夬 44.天風姤 45.沢地萃 46.地風升 47.沢水困 48.水風井 49.沢火革 50.火風鼎 51.震為雷 52.艮為山 53.風山漸 54.雷沢帰妹 55.雷火豊 56.火山旅 57.巽為風 58.兌為沢 59.風水渙 60.水沢節 61.風沢中孚 62.雷山小過 63.水火既済 64.火水未済 |
ここに書いているのは、江戸後期の名著、眞勢中州の『周易釈故』より抜粋し、現代語で意訳したものです。 |
最終更新日:令和04年03月20日 学易有丘会
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