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56火山旅 かざんりょ「旧約聖書」モーセの出エジプト神話を構成する4卦(豊・旅・節・小過)のひとつ。詳細はコチラ。 旅 八卦の
また、来往生卦法によれば、もとは天山遯から来たものとする。
【書き下し】旅は、小しく亨る、旅にては貞しくして吉なり、 およそ天下の事物を融通し、財貨を交易するためには、彼是互いに往来しなくてはならない。 また、来往生卦法では、天山遯の時に、一陰柔が内卦の外より進み往きて五爻に居り、外卦の中を得て、上下の陽剛に順(した)がっている形である。 また、艮を止まるとし、離を明とし麗(つ)くとすれば、止まって明者に麗く様子である。 さて、旅に出ると、親戚友人知人にはなかなか会えず、何かあったときの心細さは甚大である。 |
【書き下し】彖に曰く、旅は小しく亨る、柔、中を外に得て、而して剛に順えり、 来往生卦法によると、天山遯の内卦の外から一陰柔遯れ来て、外卦の他国に往きて六五となってよく中を得て九四と上九の両陽剛に麗き順っている状態であるが、このようであれば旅に居て小しく亨ることを得るものなのである。 【書き下し】止まって明に麗く、是を以って小しく亨る、旅にては、貞しくして吉なるなり、旅の時の義、大いなるかな、 交代生卦法によれば、天地否で閉塞して通じない状態から、九五が下り来て内卦艮の主爻となってその宜しきに止まり、六三は上り往きて中を得て外卦離明の主となって、明らかなるに麗いた状態になったのである。
【書き下し】象に曰く、山の上に火有るは、旅なり、君子以って明かに慎んで刑を用いて而して獄えを留めざるべし、 艮の山の上に離の火があるのがこの卦である。 |
上九━━━ 【書き下し】初六は、旅のとき瑣瑣として斯し、其の災いを取る攸なり、 【書き下し】象に曰く、旅のとき瑣瑣とは、志窮するの災いなるなり、 初六は最下に居て、卑賤の象である。
上九━━━ 【書き下し】六二は、旅のとき次に即く、其の資を懐き、童僕の貞きを得たり、 【書き下し】象に曰く、童僕の貞しきを得るとは、終わりに咎无きとなり、 六二は柔順中正を得ている爻である。
上九━━━ 【書き下し】九三は、旅のとき其の次を焚かれ、其の童僕を喪う、貞くすれば獅オ、 【書き下し】象に曰く、旅のとき其の次を焚かるとは、亦以って傷ましきかな、旅を以って下に与することこのごときは、其の義しきすじを喪えるなり、 旅のとき、宿の客として快適に過ごすためには、第一に柔順中正を貴ぶことである。 九三は偏屈にして、柔順中正の徳を喪っているので、貞くするは獅オと、深く戒めているのである。 なお、焚かれ、というのは、この卦に離の火の象があるからであり、危険を喩えたのである。
上九━━━ 【書き下し】九四は、旅のとき于に処る、其の資斧を得たるをもって、我が心快からず、 【書き下し】象に曰く、旅のとき于に處るとは、未だ位を得ざるとなり、其の資斧を得るとは、心、未だ快からざればなり、 資の字は、ここでは「用いる」という意で使われていて、 さて、旅をするときは、一に柔順温和の道を尚び、剛強であること嫌うのは、すでに六二と九三との両爻の辞を見ても判然とする。
上九━━━ 【書き下し】六五は、雉を射る、一矢に亡とる、終りに以って誉命あり、 【書き下し】象に曰く、終りに以って誉命ありとは、上に逮べるなり、 六五は君位の爻である。
上九━━━○ 【書き下し】上九は、鳥其の巣を焚く、旅人先には笑い、後には号咷す、牛を埸に喪う、凶なり、 【書き下し】象に曰く、旅を以って上に在り、其の義、焚かるべしとなり、牛を埸に喪うとは、終わりに之を聞くこと莫ければなり、 上卦離を鳥とし、下卦艮を止まるとし宿りとし、二〜四の巽を木とし、また離を火とする。 九三の爻では、内卦の上に居て過剛不中なので其の次を焚くとあり、この爻にては陽剛にして全卦の極に居て驕り高ぶっているので、其の巣を焚くという。
上九はこのような驕り高ぶった旅人なので、自らを省みることなく他人を蔑んで笑い、意気揚揚としている。 |
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ここに書いているのは、江戸後期の名著、眞勢中州の『周易釈故』より抜粋し、現代語で意訳したものです。 |
最終更新日:令和04年04月03日 学易有丘会
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