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64火水未済 かすいびせいユダヤ暦元年が西暦紀元前3761年であると算出した卦。詳細はコチラ。 未濟 八卦の
【書き下し】未済は、亨る、小狐汔ど済らんとす、其の尾を濡らせば、利ろしき攸无し、 既にというのは、すでに行き去ること、未だというのは、待つところがあって、まさに来たらんとすることである。 狐とは、下卦の坎の形が、痩せた四足動物のようにも見えるから、例に出したのである。 |
【書き下し】彖に曰く、未済は亨るとは、柔中を得ればなり、 この卦は六五が上卦離明の主にして柔中の徳があるので、未済中の未済の時をよく慎み守り、未済中の既済の時に至るのを待てば、亨通するのである。 【書き下し】小狐汔ど済らんとすとは、未だ中を出でざればなり、 この卦の九二は下卦坎の主にして剛中の才徳が有るので、未済中の未済の時だが、その剛中の才徳を守るので、およそのことは大半までに成す功はある。 【書き下し】其の尾を濡らせば、利ろしき攸无しとは、続いて終えざればなり、 慎み守って時が至るのを待ち続けるのを途中で辞めるようでは、小狐が水を渡ろうとして途中で力尽きてその尾を垂れて水に濡らしてしまうように、力不足で失敗するだけである。 【書き下し】位に当らずと雖も、剛柔応ずなり、 この卦は陽は陰位に、陰は陽位にと、六爻すべてが陰は陰位に、陽は陽位にという正の位を得てはいないが、六爻すべてに応も比もある。
【書き下し】象に曰く、火、水の上に在るは、未済なり、君子以って慎んで物を弁え方に居くべし、 火が水の上に在って、火と水とが相交わらないのが未済である。 |
上九━━━ 【書き下し】初六は、其の尾を濡す、吝し、 【書き下し】象に曰く、其の尾を濡らすは、亦不知の極なるなり、 初六は未済中の未済の初まりに居るので、未だ事を成し、功を得るべき時ではなく、宜しく慎み守るべき時である。
上九━━━ 【書き下し】九ニは、其の輪を曳く、貞しくして吉なり、 【書き下し】象に曰く、九二の貞しくして吉なりとは、中にして行い則あるを以ってなり、 九二の爻は、剛中の才が有るとはしても、未済中の未済のただ中の時に当たっている。
上九━━━ 【書き下し】六三は、未済のときに征けば凶なり、大川を渉るに利ろしからず、 【書き下し】象に曰く、未済のときに征けば凶なりとは、位当たらざればなり、 六三は下卦坎の険みの極に居る。 この卦には水火既済と同様に、
上九━━━ 【書き下し】九四は、貞しくして吉なり、悔い亡ぶ、震いて用いて鬼方を伐つ、三年にして大国に賞有(あ)り、 【書き下し】象に曰く、貞しくして吉なり、悔い亡ぶとは、志行われるなり、 九四は未済中の未済の時はすでに去って、未済中の既済に なお、この爻もまた既済の三の顛倒生卦であり、したがって共に、鬼方を伐つ、という辞がある。
上九━━━ 【書き下し】六五は、貞しくして吉なり、悔い无し、君子の光、吉たるに有孚し、 ※有孚は「まことあり」と訓むのが普通だが、その意味するところが、違いない、決まっている、といった場合は「ちがいなし」と訓む。 【書き下し】象に曰く、君子の光とは、其れ輝きて吉なるなり、 六五は未済中の既済を得ている者である。
上九━━━○ 【書き下し】上九は、孚有って于に飲酒す、咎无し、其の首を濡らせば、是を失うに有孚し、 ※有孚は文頭のように「まことあり」と訓むのが普通だが、その意味するところが、違いない、決まっている、といったことの場合は、文末のように「ちがいなし」と訓む。 【書き下し】象に曰く、飲酒して、其の首を濡らすとは、亦節を知らざるなり、 上九は未済が終わり、全く既済に成ろうとする時にして、その未だ成らないところのものは、僅かに一分足らずである。 これが、時の熟すのを待たず、正しき道を守らず、功を貪り、利に急ぐといった短慮により、 |
究極の易経解説 メニュー 01.乾為天 02.坤為地 03.水雷屯 04.山水蒙 05.水天需 06.天水訟 07.地水師 08.水地比 09.風天小畜 10.天沢履 11.地天泰 12.天地否 13.天火同人 14.火天大有 15.地山謙 16.雷地予 17.沢雷随 18.山風蠱 19.地沢臨 20.風地観 21.火雷噬嗑 22.山火賁 23.山地剥 24.地雷復 25.天雷无妄 26.山天大畜 27.山雷頤 28.沢風大過 29.坎為水 30.離為火 31.沢山咸 32.雷風恒 33.天山遯 34.雷天大壮 35.火地晋 36.地火明夷 37.風火家人 38.火沢睽 39.水山蹇 40.雷水解 41.山沢損 42.風雷益 43.沢天夬 44.天風姤 45.沢地萃 46.地風升 47.沢水困 48.水風井 49.沢火革 50.火風鼎 51.震為雷 52.艮為山 53.風山漸 54.雷沢帰妹 55.雷火豊 56.火山旅 57.巽為風 58.兌為沢 59.風水渙 60.水沢節 61.風沢中孚 62.雷山小過 63.水火既済 64.火水未済 |
ここに書いているのは、江戸後期の名著、眞勢中州の『周易釈故』より抜粋し、現代語で意訳したものです。 |
最終更新日:令和04年04月03日 学易有丘会
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