Tweet |
49沢火革 たくかかく
革
八卦の
しかし、このように水と火がその勢いの強弱で互いに相手を打ち消しあうことをもって革と名付けれたのであれば、水火既済も革と名付けれるべきではないか?という疑問が湧くが、これは沢水と坎水の違いによるのである。 また沢火革は、兌の少女が上に、離の中女が下にいる形であるが、これでは姉妹の序列が逆なので、変革する必要がある。 また、兌の少女と離の中女が、共に父母の家に同居するとしても、将来嫁ぐところは異なるから、その志は同じではなく、その違いにより争い変革を求めようとする雰囲気がある。 また、内卦の離を明とし、外卦の兌を悦ぶとすれば、内卦の自分は明らかにして、よく物の利害に通じ、改革するべきことを改革すれば、外卦の相手は、よくこれを悦ぶ。 また、内卦の離火をもって、外卦の兌金を熱する様子である。 また、離を夏とし、兌を秋とすれば、夏から秋に季節が変革することを示している。 また、離を太陽とし、兌を西とすれば、太陽が西に没する様子である。
【書き下し】革は、※已日に乃ち孚とせらる、元いに亨る、貞しきに利ろし、悔い亡ぶ、 ※已は「すでに」という意で、※已日は、改革し得て、功成り事を遂げる日のこと。 なお※已は、もともとは
甲子 番外 革令 革命の主体は金属が溶けて液状になることとすれば、離の火で熱せられた兌金が溶けて坎水となることである。 そして、一度革命したら、爻一本を一年として、この卦が終わる上爻のときが過ぎるまでは、何があってもそのまま続けなければいけない。 辛酉革命についてさらに詳しいことは、古事記と易学〜X暗号解読[1]神武天皇と辛酉革命を御覧ください。 |
【書き下し】彖に曰く、革は、水火相息す、二女同居し、其の志、相得ざるを、革と曰う、 息すとは、滅息の意で、滅びること。 ※ 【書き下し】※已日にして乃ち孚とせらるとは、革めて而して之を信ぜられるとなり、
※已日とは事成り終わる日ということ。 ちなみに己日として解釈する場合は、事前に改革することを宣言し、人々がそれを心から歓迎したのなら、実際に始まった改革が当初の予定どおりであってこそ、人々は信頼するのである、といったことになる。 【書き下し】文明にして以って説し、大いに亨るに正しきを以ってせよとなり、 文明は離の象、説は兌の象であって、事を改革するときには、よくその事の前後終始の利害を洞察し、人情時勢を察して、百世不易の大利益が有ることを明らかに確認できてから、そのことの興廃利害を逐一述べ説いて、聞く者を歓喜させなければいけない。 【書き下し】革め而して当たる、其の悔い乃ち亡ぶなり、 公明正大の道を以ってして、事の終始利害を洞察し、人情時勢に通達し、よく古き弊を去り、新しき益を革め得て、その事が道に当たっているのならば、最初は受け入れに難色を示していた人々がいて、その改革を悔いる面があっても、やがてはよく信じ服するようになり、その悔いは亡ぶのである。 【書き下し】天地革まりて、而して四時成る、湯武命を革めて、天に順い、而して人に応ず、革の時、大いなるかな、 この世の中は、天地が変革することで四時すなわち四季や歳を成すのである。
【書き下し】象に曰く、沢の中に火有るは、革なり、君子以って暦を治め時を明かにすべし、 沢の中に火有るというのは、離の日が兌の西方に没することを云うのであって、一日の終わり、次の一日の始まりの象にして、これが革の革たる所以である。 |
上六━ ━ 【書き下し】初九は、鞏むるに黄牛の革を用ってすべし、 【書き下し】象に曰く、鞏むるに黄牛を用ってすとは、以って為ること有る可からずとなり、 鞏とは、革で結び束ねることで、強固の義である。 もとより革の全卦総体の義は、改革変更である。
上六━ ━ 【書き下し】六二は、※已日をまちて、乃ち之を革たむべし、征あらば吉なり、咎无し、 【書き下し】象に曰く、已日に乃ち之を革めよとは、行えば嘉び有るとなり、 ※ 已日とは、改革するべき日のことをいう。 ※
上六━ ━ 【書き下し】九三は、征けば凶なり、貞くすれば獅オ、革言三たび就りて、孚とせらるること有らん、 【書き下し】象に曰く、革言三たび就なりてとは、又、何くに之かんとなり、 征くとは、改革することを指す。 さて、九三は、内卦が終わり、まさに外卦に移ろうとする気運が有る。
上六━ ━ 【書き下し】九四は、悔い亡ぶ、孚とせらるること有って命を改めれば吉なり、 【書き下し】象に曰く、命を改むるの吉なりとは、志を信ぜらるればなり、 九四は しかし、改革は容易なことではない。
上六━ ━ 【書き下し】九五は、大人は虎のごとくに変ず、未だ占なわざれども 【書き下し】象に曰く、大人は虎のごとくに変ずとは、其の文、炳たればなり、 九五は、今改革の時に当たって、君の位に居る。
上六━ ━○ 【書き下し】上六は、君子は豹のごとくに変ず、小人は面を革む、征くは凶なり、貞に居れば吉なり、 【書き下し】象に曰く、君子は豹のごとくに変ずとは、其の文、蔚たればなり、小人は面を革たむとは、慎んで以って君に従えばなり、 上六は、改革の至極の爻である。 さて、事を改革した後は、その改革したことをよく貞固に守るのが大事である。 象伝に蔚とは、模様が深密なこと、虎の模様に対して豹の模様を表現したものである。 なお、近代においては、君子豹変という言葉を、君子は変わり身が早い、という意に解釈することが多いが、それは誤りであって、正しくは、ここに書いたとおりである。 |
究極の易経解説 メニュー 01.乾為天 02.坤為地 03.水雷屯 04.山水蒙 05.水天需 06.天水訟 07.地水師 08.水地比 09.風天小畜 10.天沢履 11.地天泰 12.天地否 13.天火同人 14.火天大有 15.地山謙 16.雷地予 17.沢雷随 18.山風蠱 19.地沢臨 20.風地観 21.火雷噬嗑 22.山火賁 23.山地剥 24.地雷復 25.天雷无妄 26.山天大畜 27.山雷頤 28.沢風大過 29.坎為水 30.離為火 31.沢山咸 32.雷風恒 33.天山遯 34.雷天大壮 35.火地晋 36.地火明夷 37.風火家人 38.火沢睽 39.水山蹇 40.雷水解 41.山沢損 42.風雷益 43.沢天夬 44.天風姤 45.沢地萃 46.地風升 47.沢水困 48.水風井 49.沢火革 50.火風鼎 51.震為雷 52.艮為山 53.風山漸 54.雷沢帰妹 55.雷火豊 56.火山旅 57.巽為風 58.兌為沢 59.風水渙 60.水沢節 61.風沢中孚 62.雷山小過 63.水火既済 64.火水未済 |
ここに書いているのは、江戸後期の名著、眞勢中州の『周易釈故』より抜粋し、現代語で意訳したものです。 |
最終更新日:令和04年04月03日 学易有丘会
Copyright Heisei12th〜Reiwa2nd(2660〜2680) (C)2000〜2020 GakuEki-UQkai
当サイトの内容はすべて無断転載を禁止します