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漢文として楽しむ論語 爲政第二 4/24

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爲政第二

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4(20) 子曰吾十有五… YouTube版

子曰、吾十有五而志于學、

【書き下し】
子の曰く、吾十有五にして学に志す、

【訳】
先生が仰った。私は十五のときに学問に志しを持った。

【解説】
志とは心の行き向かう所。
古は十五にして大学に入る。とすとる、ここで言う学を志すも大学の道である。
大学というのは為政者の心得を学ぶことである。

三十而立、四十而不惑、

【書き下し】
三十にして立つ、四十にして惑わず、

【訳】
三十のときにその学問の目指す方向性が明らか決まり、そのスタートラインに立ち、四十のときにはさらに知識が深くなって、もう迷うことは全くなくなった。

五十而知天命、六十而耳順、

【書き下し】
五十にして天命を知る、六十にして耳順う、

【訳】
五十のときに天命、運命といったものを感じ、六十のときには何かを聞いたら瞬時にそれが道に叶っているか否かを判別でき、何も考えることなく適切な対応をできるようになった。

七十而從心所欲、不踰矩、

【書き下し】
七十にして心の欲するところに従えども、矩を踰えず、

【訳】
七十のときには、何も考えずにやりたいようにやっても、決まりを破ることはなかった。決まりを破るようなことには興味が持てなかった。

【解説】
有名な言葉だが、孔子が実際にこのようだったのかは定かではない。
実はこれ、孔子のちょっとした遊び心で作ったものだったのだろう。
『論語』の注釈書では触れられることはないが、易をある程度知っていれば、ここに出て来る数字と続く文字からすぐわかることなのだ。
孔子が注釈を加えて編纂した易経にある理論、八卦と数の関係と卦の意義を年齢に当てはめて並べてだけである。
おそらく本当に学問を志すのなら、自分の話を聞くだけではなく、易を勉強してほしいという思いから作られたのであって、論語集解や集注を始めとする注釈書でも、易を勉強した後にこの文章を思い出してニヤリとして欲しいから、敢えて触れなかったのだろう。
また、雍也第六19に、中人以上には以て上を語ぐ可きなり、中人以下には以て上を語ぐ可からざるなり、という言葉があることから、易を勉強しない中人以下には本当のことを知らせる必要はない、という考えもあったのだろう。
が、ここでは現代の易の置かれている状況から、きちんと説明することにした。
易の八卦は次のようにそれぞれ決まった数が配されている。
(けん)(天)は一と九、()(沢)は二、()(火)は三、(しん)(雷)は四、(そん)(風)は五、(かん)(水)は六、(ごん)(山)は七、(こん)(地)は八と十、である。
その八卦を重ねた六十四卦でいろいろなことを判断するのが易なのだが、十有五は十と五だから地風升(ちふうしょう)、三十は火地晋(かちしん)、四十は雷地予(らいちよ)、五十は風地観(ふうちかん)、六十は水地比(すいちひ)、七十は山地剥(さんちはく)という卦になる。
十有五の地風升は大木の種が蒔かれたことを意味するので、将来大木のような人物になるために学を志すことを連想させる。
三十の火地晋は大地から朝日が立ち上る様子の卦であり、人はまた朝起きて立ち上がり一日が始まるので、立つということを連想させる。
四十の雷地予は抑圧から解放されて自由に活動する準備が整い歓喜の音楽が鳴り響いている形だから、惑いなど微塵もないことを意味する。
五十の風地観は、天の神道を観るときすなわち天命を知るときを意味する。
六十の水地比は六の坎(水)は人体では耳に配され、十の坤(地)は従順という意があるから、耳に順うことを連想させある。
七十の山地剥は、外(上の卦)は七の艮(山)で止まる、内(下の卦)は十の坤(地)で従順の意だから、内=心の欲するところに従っても、外は一線は越えずに止まる=矩を踰えず、という意を持つ。易に不案内だとナンノコッチャだろう。詳細は易学入門のページ究極の易経解説の各卦のページをご覧ください。

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最終更新日:令和06年08月13日 学易有丘会
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