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漢文として楽しむ論語 八佾第三 22/26

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八佾第三

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22(62) 子曰管仲之器小哉…

子曰、管仲之器小哉、或曰、管仲儉乎、

【書き下し】
子の曰く、管仲の器は小さきなる哉、或る人曰く、管仲倹なりき、

【訳】
先生が仰った。管仲は器量が小さい。ある人が言った。管仲は器が小さいのではなく、倹約なのではないか。

【解説】
管仲は斉の大夫、姓は管、名は夷吾、仲はその字。器は器量のこと。
管仲は桓公の相となって諸侯の覇となし、一たび天下を正した大功績がある。
しかし聖賢大学の道を知らず、内に備えたる識量が狭く浅く、外に施せる規模が低く寂しい。
これは器が小さいからである。
この故にその功績はただ覇業を成すに止まり、身を正しくして徳を修め、君に王道を行わせる能力はなかった。
しかしある人は、倹約な者はその心が静かで、その仕業が慎ましいが故に、これを器が小さいと言えるのかと疑った。

曰、管氏有三歸、官事不攝、焉得儉、

【書き下し】
曰く、管氏三帰有り、官事摂ねず、焉んぞ倹なることを得ん、

【訳】
仰った。管氏は三帰という名の展望台を築いた。家臣は多く、いくつかの職を兼ねる人は一人もいなかった。どうしてこれを倹だと言えるのか。

【解説】
三帰は展望台の名。
管仲は展望台を築き、遊観の所とした。
官は職のこと。
大夫の家臣は一人でいくつかの職を兼ねるものなのだが、管仲の家は臣が多く、一人各一事を司る。
これは諸侯の制を犯すことである。

然則管仲知禮乎、

【書き下し】
然るときは則ち管仲礼を知れりや、

【訳】
だとすると、管仲は礼を知っていて、そのためにいろいろ使うから、倹とは言えないのか。

【解説】
これまた或る人の質問である。

曰、邦君樹塞門、管氏亦樹塞門、

【書き下し】
曰く、邦君樹して門を塞う、管氏も亦樹して門を塞う、

【訳】
先生が仰った。諸侯は門内に小壁を建てて門を塞ぎ覆うが、管氏もまた小壁を建てて門を塞ぎ覆っていた。

【解説】
邦君は諸侯のこと。
樹とは衝立のような小壁。
この小壁を門の内に建てて、内外を覆い遮るので、門を塞うという。
これは諸侯の礼である。
大夫は簾を用いる作法になるが管仲は礼を僭して小壁を建てたのだ。

邦君爲兩君之好、有反坫、管氏亦有反坫、

【書き下し】
邦君両君の好みを為すときに反坫有り、管氏も亦反坫有り、

【訳】
諸侯が隣国の君と親交を深めるときは、反坫で酒を酌み交わすのだが、管氏もまた反坫で酒を酌み交わした。

【解説】
邦君為両君之好とは、諸侯が隣国の君と親交を深めることをいう。
反坫は土で造った小台で、賓主が互いに酒を酌むときに、飲み終わると杯を裏返しに置くところ。
桓公が天下の覇主となり、管仲はその国政を執っていたので、諸侯が斉に来る時は、必ず管仲の家にも行き、この反坫で酒を酌み交わした。
しかしこれも諸侯の礼であって大夫の管仲がするのは僭礼になる。

管氏而知禮、孰不知禮、

【書き下し】
管氏にして礼を知らば、孰か礼を知らざらん、

【訳】
このような管氏が礼を知っているというのであれば、礼を知らない人は誰もいないことになる。

【解説】
孔子が管仲は器が小さいとの指摘に、倹約なのではと反論され、倹約でないことを指摘すると、今度は礼を知っているからではないかと反論されたが、このように礼を知らないことを指摘したのだった。

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八佾第三 各章
3-1 孔子、季氏が八佾を庭に舞うことを謂く、是をも…、
3-2 三家は雍を以って徹す、子の曰く、相くる維れ辟…、
3-3 子の曰く、人として仁ならざれば、礼を如何、人…、
3-4 林放礼の本を問う、子の曰く、大いなるかな問え…、
3-5 子の曰く、夷狄にして君有り、諸夏の亡きが如く…、
3-6 季氏泰山に旅せんとす、子冉有に謂いて曰く、女…、
3-7 子の曰く、君子は争う所無し、必ずや射か、揖譲…、
3-8 子夏問いて曰く、巧みに笑うこと倩たり、美き目…、
3-9 子の曰く、夏の礼吾れ能く之を言えども、杞徴し…、
3-10 子の曰く、禘既に灌してより往は、吾之を観ま…、
3-11 或るひと禘の説を問う、子の曰く、知らず、其の…、
3-12 祭ること在ますが如くす、神を祭ること神在ま…、
3-13 王孫賈問いて曰く、其の奥に媚びんより、寧ろ…、
3-14 子の曰く、周は二代を監みて、郁郁乎として文…、
3-15 子大廟に入りて事毎に問う、或る人の曰く、孰…、
3-17 子貢告朔の餼羊を去まく欲す、子の曰く、賜…、
3-18 子の曰く、君に事えて礼を尽くせば、人以って…、
3-19 定公問わく、君臣を使い臣君に事えまつること…、
3-20 子の曰く、関雎は楽しんでも淫れず、哀んでも…、
3-21 哀公社を宰我に問う、宰我対えて曰く、夏后氏…、
3-22 子の曰く、管仲の器は小さきなる哉、或る人曰…、
3-23 子魯の大師に楽を語げて曰く、楽は其れ知んぬ…、
3-24 儀の封人見えんことを請う、曰く、君子の斯に…、
3-25 子韶を謂く、美を尽くせり、また善を尽くせり…、
3-26 子の曰く、上に居て寛かならず、礼を為して敬し…、

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最終更新日:令和07年11月06日 学易有丘会
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