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なるほど!易学入門ここでは易学=易経(周易)に基づく占いの成り立ちについて、初心者向けに解説しています。易の起源は中国の有史以前、まだ文字がなかった時代だと言われています。

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 可愛い女の子の話だと、世の男性諸氏は身を乗り出して聞こうとする。しかし易や儒教の話だと、とたんに七面倒臭そうな顔付きになる。これは現代だからというわけではなく、『論語(ろんご)子罕(しかん)編にも「()(いま)だ徳を好むこと色を好むが(ごと)くする者を見ざるなり」(私は美人を好むのと同じくらいに徳を好む人に、未だ出逢ったことがない)という言葉が残されているように、孔子の時代もそうだったのである。恐らく人間の本能がそうさせるのだろう。
 だからと言って、本能の赴くままに生きるだけでは、いささかはしたない。
 私の場合、そういう思いが『易経』を読んでみようというエネルギーに転化したのでもあるが、その『易経』の中で最も興味深かったのが、これから話題にする六十四卦の配列である。
 八卦の序次の1乾、2兌、3離、4震、5巽、6坎、7艮、8坤は、すでに話したように全く数学的なもので、それこそ味気無いが、六十四卦の場合は各卦の意義や相対関係、数学的分類といった問題を有機的に組み合わせた上で、上篇三十卦、下篇三十四卦に分け、人生に擬えているのである。
 人は生まれてから死ぬまでに、色々な状況に置かれる。その中で試行錯誤を繰り返し、ある時は挫折に苦汁を飲まされ、またある時は夢が叶い、目的も達成されよう。しかし、どんなに世間的な成功を収めたとしても、それで人生が完成されたわけではない。多くの場合、生への未練を残し、未完のまま死んで行く。それが人間であり、人生はそれ以上でもそれ以下でもない。
 こんなことを言うとロマンチストの顰蹙(ひんしゅく)を買いそうだが、この現実を直視出来る冷静さがあってこそ、善悪の判断を自分でつけられるようになるのだと考えるのが易なのである。そして欧米人から、日本人には宗教や哲学がないと言われることがあるが、その理由も実にこの易六十四卦の配列に従って人生を捉えているからだと言えよう。宗教や哲学は、人生の現実から目を背けることで、死の恐怖から逃避を計っているに過ぎないと易では考えている。
 さて、この六十四卦の配列、上篇は天と地を表現する乾為天(けんいてん)坤為地(こんいち)に始まり、人間が生活を営むうえで必要不可欠な水と火を象徴する坎為水(かんいすい)離為火(りいか)をもって締め括られ、下篇は人生が結婚により新しい門出を迎えることに(なぞら)え、天地男女の交わりすなわち夫婦の始まりを表現する沢山咸(たくざんかん)という卦より出発し、火と水の形で構成される火水未済(かすいびせい)に終わる。
 この配列の意義を書いたのが「序卦伝」である。

 そこで、その「序卦伝」の文章を紹介し、かたがた六十四卦各卦の横顔に触れてみることにしたい。
 原文(漢文)の書き下しだけでは、現代人にとっては読みにくいので、ところどころ意訳を付け加えた。
 また、各六十四卦の図形の左には構成する八卦の序次の数を併記しておく。
 なお沢山咸が夫婦の始まりの形とされるのは、天地男女が離れ極まった天地否(てんちひ)から、夫婦和合の地天泰(ちてんたい)に向かって乾の男性が動き下り、坤の女性がそれを受け入れて感応し合っている形とイメージするからである。咸は「感じる」という意。一説に、嬉しいとか悲しいといった心で感じることではなく、身体が本能的に感じる例えば性感のような感覚を指すのであって、だから心がない咸という字をもって卦名としたのだと言う。

序卦伝 上篇

1 乾為天(けんいてん) 2 坤為地(こんいち)=従順な牝馬

天地ありて(しか)る後に万物生ず、天地の間に()つる者はただ万物なり(=万物は天地の間に存在しているに過ぎない)、

3 水雷屯(すいらいちゅん)=試練に悩む新人

(ゆえ)にこれを()くるに(ちゅん)をもってす(=だから次には水雷屯が置かれる)、

屯とは()つるなり、屯とは物の始めて生ずるなり、物生ずる始めは必ず(もう)なり、

4 山水蒙(さんすいもう)=暗く愚かな子供

故にこれを受くるに蒙をもってす、蒙とは(おろ)かなり、物の(おさな)きなり、物稺ければ養わざるべからず、

5 水天需(すいてんじゅ)=渡し舟を待つゆとり

故にこれを受くるに需をもってす、需とは人を養う飲食の道なり、飲食を求め欲するは争いの始めにして必ず(うった)えることあり、

6 天水訟(てんすいしょう)=不満を訴える人々

故にこれを受くるに訟をもってす、(うった)える時には必ず民衆が決起することあり、

7 地水師(ちすいし)=軍隊の指揮官

故にこれを受くるに師をもってす、師とは民衆が集まって団結してた軍隊なり、民衆が(あつま)れば必ず親しむところあり、

8 水地比(すいちひ)=王様と親しむ民衆

故にこれを受くるに比をもってす、比とは親しむなり、人と親しむ者は(あつま)(むつ)(たす)け合いて然る後に必ず少しは財を(たくわ)うるところあり、

9 風天小畜(ふうてんしょうちく)=近づく雨雲外出中止

故にこれを受くるに小畜をもってす、物畜えられて然る後に余裕を成し、よって礼節を知ることあり、

10 天沢履(てんたくり)=礼節を履み外した危険

故にこれを受くるに履をもってす、履とは礼節を()み行うなり、万民礼節を履みて然る後に天下安泰なり、

11 地天泰(ちてんたい)=天下安泰、万物生成

故にこれを受くるに泰をもってす、泰とは上下相通ずるなり、物もって通ずるに終わるべからず、何れは否定閉塞(へいそく)するなり、

12 天地否(てんちひ)=溶けあわない水と油

故にこれを受くるに否をもってす、物もって否に終わるべからず、否塞(ひそく)に苦しめば必ず和合協同を(ほっ)す、

13 天火同人(てんかどうじん)=志を同じくする友

故にこれを受くるに同人をもってす、人と同じくする者は人望厚きによりて多くの物必ずこれに帰服(きふく)し、大いにこれを保有す、

14 火天大有(かてんたいゆう)=中天に輝く太陽

故にこれを受くるに大有をもってす、大を有する者はもって盈つるに(おご)るべからず、

15 地山謙(ちざんけん)=お辞儀は深く丁寧に

故にこれを受くるに謙をもってす、大を有して能く謙遜なれば必ず(よろこ)ぶ、

16 雷地予(らいちよ)=大地に響く歓喜の音楽

故にこれを受くるに予をもってす、予びを得る者には必ず(したが)う人あり、

17 沢雷随(たくらいずい)=人に従い道に従う時

故にこれを受くるに随をもってす、喜びのみにて人に随う者は必ず事件を起こすことあり、

18 山風蠱(さんぷうこ)=うじ虫がわいた食物

故にこれを受くるに蠱をもってす、蠱とは事件なり、事件あれば臨機応変に処理して後に称賛大なるべし、

19 地沢臨(ちたくりん)=悦び望んで迎える人々

故にこれを受くるに臨をもってす、臨とは大なり、物大なれば然る後に()る価値生ずべし、

20 風地観(ふうちかん)=よく観察して慎重に

故にこれを受くるに観をもってす、観るに値して後に他者も来たりて合い見る、

21 火雷噬嗑(からいぜいこう)=食物を噛み砕く力

故にこれを受くるに噬嗑をもってす、嗑とは(ごう)、すなわち合うなり、物もって(いやし)くもただ合するのみなれば美とすべからず、

22 山火賁(さんかひ)=夕映えの美しさ

故にこれを受くるに賁をもってす、賁とは飾るなり、飾るを際限なく致して然る後に(とお)り成功すとも、実質尽きれば無なり、

23 山地剥(さんちはく)=山崩れの危険

故にこれを受くるに剥をもってす、剥とは()ぐなり、物もって剥ぎ尽きて無となるに終わるべからず、陽を剥ぐこと上に(きわ)まれば下に(かえ)る、

24 地雷復(ちらいふく)=一陽来復、活動開始

故にこれを受くるに復をもってす、正道に(かえ)れば(みだ)らなるところ()し、

25 天雷无妄(てんらいむぼう)=作為のない天の運行

故にこれを受くるに无妄をもってす、妄ら(ならざ)れば誠実ありて然る後に大いに(たくわ)うべし、

26 山天大畜(さんてんたいちく)=渡れば危険な赤信号

故にこれを受くるに大畜をもってす、物畜えて然る後に養い育てるべし、

27 山雷頤(さんらいい)=空腹で卑しい口

故にこれを受くるに頤をもってす、頤とは養うなり、空腹養わずして動くべからず、養いて動く時は大いに()ぐる功あり、

28 沢風大過(たくふうたいか)=背負った大きな荷物

故にこれを受くるに大過をもってす、物もって過ぐるに終わるべからず、過ぎたるは盲進ありて必ず険難(けんなん)(おちい)るところあり、

29 坎為水(かんいすい)=大洪水で右往左往

故にこれを受くるに坎をもってす、坎とは陥るなり、陥れば必ず(すが)()くところあり、

30 離為火(りいか)=火を扱うときの心がけ

故にこれを受くるに離をもってす、離とは()く(付着する)なり、

※ なお八卦の説明でも触れたが、易が成立した頃は、離の字は「はなれる」ではなく、真逆の「付着する」という意味で使われていた。

 以上、上篇三十卦です。
 下篇三十四卦は次のページです。

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最終更新日:令和02年10月31日 学易有丘会
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