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ここでは易学=易経(周易)に基づく占いの成り立ちについて、初心者向けに解説しています。易の起源は中国の有史以前、まだ文字がなかった時代だと言われています。
○ プロローグ T 易の基本 陰と陽 U 易の周辺 五行〜儒教 V 八卦と呼ばれる抽象芸術 その1 W 八卦と呼ばれる抽象芸術 その2 X 易の主役 六十四卦 Y 六十四卦と日本文化 Z 六十四卦の序次=序卦伝・上篇 [ 六十四卦の序次=序卦伝・下篇 \ 男尊女卑と女尊男卑 ] 占い方 ] 占い方
易占いの楽しみ方 人生には決断を迫られる場面が数多くある。天気予報が降水確率50%とする時の傘の携行といった日常的な他愛ない事柄は勿論、進学、就職、恋愛、結婚も要は決断であって、時流を読み取った上での正しい判断が幸福をもたらし、状況判断を誤れば不幸な結果に終わる。とすると、どうすれば時流を読み取れるのかということになるが、理想を言えば、自分を取り巻く状況の陰陽を観察し、それを六十四卦で表現してみればよいのである。しかしこれは、なかなか出来るものではない。そこで「易占い」すなわち オーソドックスな占筮では、 その筮竹と算木を用いて行う占筮だが、代表的な方法としては次の三つがある。 |
@ 略筮法 原理は八卦に配される一から八までの数を、筮竹を
まず、五十本の筮竹の中から一本抜き出し、これを筮筒という筒状の容器に立てる(普段はここに五十本全部を立てておく)。太極に象るという作法なのだが、要するに実際に用いるのは残りの四十九本となる。 略筮法ではこの後もう一度筮竹を捌き、今度は六本ずつ捨てて行き、一〜六までの数を得る。易占いは六十四卦がどのように変化するのかをもって判断するもので、この数は変化する 卦象の変化とは、沢火革を逆さに見た
なお、裏返すとは陰陽を逆転させることで、算木が陽の裏は陰、陰の裏は陽となるように作られているから、こう言うのである。
易の経文は言葉の省略や比喩が多いばかりか、同じ字でも前後の文脈により異なった意味を汲んで訓む等、漢籍に慣れたかつての人々ならともかく、現代人にとっては十分な注釈がないと理解し難い箇所が少なくないが、それにしても上六の「君子豹変」はよく聞く言葉であり、またこの卦は神武天皇即位年算出根拠の |
A 中筮法 中筮法も略筮法と同様に、筮竹を捌いて得た数を八卦に配すというものなのだが、異なるのはこれを六回行い、六つの卦を下から順に並べ、そのうちの陽卦(乾・震・坎・艮)は一本の陽爻に、陰卦(坤・巽・離・兌)は一本の陰爻に置き換え、計六本の爻すなわち一つの六十四卦とし、爻変は捌き出された八卦のうちの乾と坤の位置とすることである。
乾坤を爻変とするのは、この二卦が陽または陰の極まった形すなわち老陽老陰だからであって、陽が極まれば陰となり、陰が極まれば陽となると考えるからである。陽が極まった夏至には陰が生じ、陰が極まった冬至には陽が生じるといったことに擬えているのである。 本卦の天沢履には「危険」という意味がある。 |
B 筮竹を用いない占法 易占いは必ずしも筮竹で行われなければならないというものではない。古くから色々な方法が考案されていて、要は基本を逸脱しない限り何でもありなのである。簡単なところでは略筮法や中筮法の手順を応用し、自分なりに約束事を設定すればよいのである。 トランプを使う方法
まず、スペードとクラブすなわち黒札の1から8までの計十六枚をA組、ハートとダイヤすなわち赤札の1から8までの計十六枚をB組、ジャック、クイーン、キングの絵札全ての計十二枚をC組と、都合三組に分ける(残る9と10の計八枚は使わない)。
次にそれぞれをよくきりまぜ、各組から一枚ずつ引く。後はA組とB組の札が示す数を筮竹で得た数のように、八卦と数の関係に従って置き換え、A組のを内卦、B組のを外卦とすれば、これで本卦となり、C組は黒のJ・Q・Kが初・二・三爻を、赤のJ・Q・Kが四・五・上爻を指すものとして、これを爻変の指示とする。仮にA組がスペードの6、B組がダイヤの7、C組がハート(赤)のクイーンだったとすれば、六は坎、七は艮、赤のQは五爻だから、「 辞書や百科事典で占う 分厚い本を手元に置き、無作為のうちに適当なページを開き、そのページの数字に次のような約束事を定めて占うのである(略筮法に準じて話すが、言うまでもなく中筮法でも可能である)。 何も道具を使わずに占う 無作為のうちにトランプを引いたり本のページを開く要領で、思いつくまま数字を三つ言うのである(声に出さなくてもよい)。ただし今回は筮竹やトランプ、本といった道具を使う時とは異なり、最初の数字を外卦、次のを内卦、三度目のを爻変とする(道具を使用する時は最初が内卦で次が外卦)。例えば「五、四、一」と口をついたら「 しかしこの方法で間違いなく神秘な力と感応出来るのかと聞かれても困る。 また、ある程度卦の意義を理解してしまえば、易を仲間内だけで通じる重宝な暗号としても利用出来るようになり、これまた楽しさ倍増である。が、それだけではない。日本最古の書物『古事記』『日本書紀』も、実は易の理論を乱数表として利用して作成された暗号文書だったのである。 |
最終更新日:令和02年10月31日
学易有丘会
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