危険な古代史
古事記日本書紀のトリッキーな数字の仕掛け
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第一章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 第八章 第九章 第十章
第二章 円周上に配置された神々と古代天皇
1、神々と古代天皇の登場順には法則があった! 2、易とは何か…陰陽〜八卦〜六十四卦 3、歴代天皇と易六十四卦の序次 4、歴代天皇のふざけた名前 5、仁者は山を楽しむ〜仁徳天皇陵 6、神世と易六十四卦の序次 7、伊邪那岐・伊邪那美神と一陽来復
追補1、各天皇と易六十四卦との関係の詳細@ 追補2、各天皇と易六十四卦との関係の詳細A 追補3、神々と易六十四卦との関係の詳細
2 易とは何か…陰陽〜八卦〜六十四卦
君子豹変、虎視眈々、一陽来復といった言葉を聞いたことがあるだろう。
これは易経にある言葉をそのまま引用したものである。
よく聞く言葉としては、観光、神道、啓蒙、開成も易経からのものだ。
日本書紀では神武と成務という漢風諡号も易経からのものである。
実は日本の伝統文化や歴史を知る上で、易は極めて重要なのである。
かつて吉野裕子ほが少数の歴史学者や民族学者により、古代史研究のためには易を学ぶことが重要だと指摘していたが、結局指摘するだけで、何もやってこなかったのが現代のアカデミズムである。
そんな現状を踏まえ、とにかく易とは何かを簡単に触れることにする。
易は古代中国、周の時代に完成されたので周易とも云い、易の本は易経とも呼ばれ、周の文王とその子周公旦が書いた本文に孔子が書いた十翼と呼ばれる解説群をまとめて一書としたものである。
〇 陰陽、八卦とは
易は、この世の中は複雑そうに見えるが、陰と陽という対立する二つの要素の組み合わせに単純化するとスッキリして本当の様子がわかる、と考え、その陰と陽を、陰⚋陽⚊という記号で表現し、その記号の組み合わせで世の中をシミュレーションするものなのだ。
陰と陽とは、天地、明暗、昼夜、日月、動止、進退、前後、左右、男女、父母、兄弟、大小、剛柔、賢愚、正邪、真偽、といったように分類され、基本的に陽⚊の記号は連続、陰⚋の記号は分断を意味する。
一説に、陽⚊は男性器、院⚋は女性器(われめ)から考案されたのではないか、とも言われている。
この陰と陽の記号を三本重ねて計八種類の形としたものを八卦と呼ぶ。
八卦はまた「はっけ」とも読まれていて、どちらで読んでもかまわないのだが、私が教わった先生は江戸時代の儒学の考えに従って八卦と読んでいたので、私も「はっか」と読むようになっただけのことである。
八卦のそれぞれには、☰乾、☱兌、☲離、☳震、☴巽、☵坎、☶艮、☷坤、という名があり、同時に、自然に配して、☰乾=天てん、☱兌=沢、☲離=火、☳震=雷、☴巽=風、☵坎=水、☶艮=山、☷坤=地、と表現されるとともに、それぞれには次のように数字が配されている。
☰乾の天は一と九、☱兌の沢は二、☲離の火は三、☳震の雷は四、☴巽の風は五、☵坎の水は六、☶艮の山は七、☷坤の地は八と十。
八卦のそれぞれが持つ基本的な意味を表にまとめるとこんなところだ。
〇 六十四卦とは
この八卦を二つ重ねて六十四の形、六十四卦とし、その六十四卦でいろいろなことをシミュレーションするのが易なのである。
八卦と六十四卦の関係を表にすると、次のようになる。

正式な名称は漢字一文字か二文字なのだが、同じ発音の字も多く、紛らわしさを解消するために、日本では構成する八卦を自然に配した呼び名を付けて、上が☴巽(風)で下が☲離(火)なら風火家人、上が☰乾(天)で下が☳震(雷)なら天雷无妄、上が☵坎(水)で下が☷坤(地)なら水地比、といったふうに呼んでいる。
ただし上下が同じ八卦の場合は、乾為天、離為火といったふうに呼ぶ。
屯蒙もその六十四卦で、一般には水雷屯、山水蒙と呼ばれ、水雷屯は四が配される☳震(雷)の上に六が配される☵坎(水)を乗せた形だから六と四、山水蒙は六が配される☵坎(水)上に七が配される☶艮(山)を乗せた形だから、七と六という数字の組み合わせを意味するのだ。
そして六十四卦には決まった序次、順番があって、その序次に従って並べると次図のようになり、易経はこの序次の順に各卦を解説している。
各卦の代表的意義も添えておいたが、ここでは「ああ、そんなもんか」と、チラッと眺めて頂くだけで十分である。
ちなみにパソコンのユニコードにある易経記号もこの序次の順(#19904〜#19967)になっている。
ただし䷃山水蒙とか䷤風火家人といった具合に、本来縦書き二文字分なのを一文字に圧縮しているので、甚だ見にくい。
ここだけ文字を大きく、䷃山水蒙とか䷤風火家人のようにするしかないか…といったところだ。
とにかく岩波大系本の屯蒙の頭注に序卦とあるのは、孔子が書いた易経の十翼のひとつで、この序次の意義を解説した序卦伝という部分のことである。
が、易の話しはこれくらいにして、さらに詳しいことは易学入門や易経詳解のページに任せるとして、そろそろ先に進む。
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