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漢文として楽しむ論語 陽貨第十七 4/5

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18(452) 子曰惡紫之奪朱也…

子曰( しの の玉わく)(にくむ)紫之(むらさきの  ) (うばうことを)1ノ(しゅを)也、(にくむ)鄭聲( てい せいの)(みだることを)雅楽( が がくを)也、(にくむ)利口( り こうの)(くつがえす)邦家( ほう かを )(ものを)

【書き下し】子の曰く、紫の朱を奪うことを悪む、鄭声の雅楽を乱ることを悪む、利口の邦家を覆す者を悪む、

【訳】先生が仰った。紫色が朱色よりも人気があることを憎む。鄭声の淫らな響が雅楽を乱すことを憎む。口が巧い人が国家を危うくするのを憎む。

【解説】紫は間色にして卑しく、朱は正色にして貴く盛美だとしても、紫の艶麗さは最も人の情欲に適うので、これを好む者が多く、朱の美を奪うに至る。よって君子はこれを憎む。雅楽は貴いが、その音は淡く、鄭声はその音が淫らにして人はこれに溺れやすいので、雅楽を乱す。利口は口が巧く、なんでも自分のいいように相手を丸め込むこと。

19(453) 子曰予欲無言…

子曰( しの の玉わく)(われ ) (ほっす)(なからまく) (ものいうこと)子貢曰( し こうの いわく)子如( し もし ) (ずんば)(ものいわ)(すなわち) 小子( しょう し ) 何述(なにをか のべん)焉、子曰( しの の玉わく)天何言(てん なにをか いうや)哉、四時行( し  じ  ゆき)焉、百物生(ひゃく ぶつ なる )焉、天何言(てん なにをか いうや)哉、

【書き下し】子の曰く、予、言うこと無らまく欲す、子貢の曰く、子、如し言わずんば、則ち小子、何をか述べん、子の曰く、天、何をか言うや、四時行き、百物生る、天、何をか言うや、

【訳】先生が仰った。私はもう何も言いたくない。子貢が言った。先生がもし、何も言わなければ、私たち弟子は先生の道を弘めるのに、何をどう述べたらよいのでしょうか。先生が仰った。天は何も言わない。天の作用で季節が移り変わり、いろいろなものが生まれた。しかし天は何も言わない。

【解説】孔子は、私が何も言わなくても、天の運行、自然の移り変わりを観察すれば、自ずとすべてのことがわかるものだ、と示したのだ。孔子の道は、天から啓示されたのでも何でもない、あくまでも観察を基本とした学問なのだ、ということ。天あるいは神といったものの啓示、お告げで世の中を論じているのではない。だから絶対的な善悪は想定しない。孔子が行ったのは、どうすれば人々から歓迎され、どうすれば人々から憎まれるか、のシミュレーションである。西洋キリスト教では、善悪の判断は神が示したものだとし、人間が自ら善悪を考えることを否定してきたが、その真逆が孔子の考えなのであって、言わば無神論と言ってよいだろう。ちなみに孔子とは反対に、天は意志を持っていて、天の意志に従うことを提唱したのが、孔子よりもやや後の孟子の時代に儒家と対峙した墨子である。その墨子の思想はキリスト教と似ていて、これについては欧米でも指摘されているが、清朝末の学者黄鄭憲は、墨子がキリストより約四百年古いことから、墨子の思想が西に伝わってキリスト教になったのではないか、と考えた。

20(454) 孺悲欲見孔子…

孺悲( じゅ ひ ) (ほっす)(あわまく)孔子( こう しに )孔子( こう し ) (じするに ) (もってす) (やまいを)(おこなう)(めいを) (もの ) (いずるときに)(こを )(とって)(しつを)(うたって)使(しむ )(これをして) ( きか)1ノ(これを)

【書き下し】孺悲、孔子に見わまく欲す、孔子、辞するに疾いを以ってす、命を将う者、戸を出るときに、瑟を取って歌って、之をして之を聞か使む、

【訳】孺悲が孔子に会いたいと思ってやって来た。孔子は取次者に、病気だから会えないと伝えた。取次者が孔子の部屋を出ると、孔子は瑟を取って、外にいる孺悲に聞こえるように歌い出した。

【解説】孺悲は魯の人、哀公の命で士の喪礼を孔子から学んだ者。おそらくこの時、孺悲は何か孔子から叱られることがあったのだろう。それを孔子は直接叱ることなく反省させようと、居るけど会わないことを悟らせ、自ら反省するように促したのだ。

21(455) 宰我問三年之喪…

宰我問( さい が とわく)、三(ねんの)()期已久( き すでに ひさし)矣、君子( くん し )(ねん ) (ざれば)()(れいを)禮必壊、( れい かならず やぶれなん  )(ねん ) (ざれば)()(がくを)樂必崩、( がく かならず くずれなん  ) 舊穀(きゅう こく ) 既沒(すでに つきて)新穀( しん こく ) 既升(すでに なり )(きって)(すいを ) (あらたむ)(ひを )(きにして) ( べし)(やんぬ)矣、

【書き下し】宰我問わく、三年の喪、期も已に久し、君子三年礼を為ざれば、礼必ず壊れなん、三年楽を為ざれば、楽必ず崩れなん、旧穀既に没て、新穀既に升り、燧を鑚って火を改む、期にして已んぬ可し、

【訳】宰我が質問した。古礼では父母の喪は三年だが、一年でも長いくらいではないでしょうか。君子が三年も礼を修めなかったら礼は壊れて廃れ、三年も音楽を奏しなければ音楽は崩れるでしょう。穀物も一年経てば古いのは食べ尽くし、新しいのを収穫します。火をこすって起こす木も四季に合わせて変えて一年で一巡します。とすると父母の喪が三年というのはいささか長く、一年でよいのではないでしょうか。

【解説】宰我は孔子の弟子、宰は姓、名は予、字は子我。期は一年のこと。燧は火を起こすための木、鑚るとは、きりもみして火を起こすこと。

子曰( しの の玉わく)(くらい)夫稻( かの とうを)(きること)夫錦( かの にしきを)(おいて)(なんじに ) (やすきか)乎、(いわく)(やすし)女安(なんじ やすくば ) (すなわち) ( せよ)(これを)

【書き下し】子の曰く、夫の稻を食らい、夫の錦を衣ること、汝に於いて安きか、曰、安し。汝、安くば則ち之を為よ。

【訳】先生が仰った。一年にして贅沢な食事をし、贅沢な服を着ることに、そなたは抵抗がないのか。宰我が言った。特に抵抗はありません。だったらそなたの好きなようにすればよい。

【解説】喪の期間は粗衣粗食をするもの。

夫君子( それ くん しの )(おれること)(もに )(くらえども) (うまきを) ()(あまんぜ)(きけども)(がくを) ()(たのしま)居處( おる ところ) ()(やすから)(ゆえに ) (ざるなり)()也、今女安( いま なんじ やすくば)(すなわち) ( せよ)(これを)宰我出( さい  が  いでぬ)

【書き下し】夫れ君子の喪に居れること、旨きを食らえども甘んぜず、楽を聞けども楽しまず、居る処安からず、故に為ざるなり、今、汝安くば之を為よ、宰我出ぬ、

【訳】そもそも君子は喪に居るとき、ご馳走を食べても美味しくないし、音楽を聞いても楽しくないし、どこに居ても心穏やかではいられないものだ。だから普通の生活はしないのだ。今、そなたが普通でいられるのなら、それでよいのではないか。宰我が部屋を出た。

【解説】喪のときに粗衣粗食をするのは、義務としてそうしているのではなく、悲しみの中では贅沢をしても虚しくなるだけで、自然とそうなるのだ。

子曰( しの の玉わく)(よが )不仁( ふ じんなる)也、子生( こ うまれて)(ねん )然後(しかる のちに ) (まぬがる)父母( ふ ぼの ) 之懐(  ふところを)(それ )年喪(ねんの もは )天下( てん かの )通喪( つう そうなり)也、(よも )(あらんか)(ねんの)( あい )其父母( その ふ ぼに )乎、

【書き下し】子の曰く、予が不仁なる、子、生まれて三年、然る後に父母の懐を免る、夫れ三年の喪は、天下の通喪なり、予も三年の愛、その父母に有らんか、

【訳】先生が仰った。予(=宰我)は不仁なのかな。親を思う気持ちが薄いし、黙って出て行くし。子は生まれて三年経って、漸く父母の懐を離れる。父母の喪は天子でも諸侯でも庶民でも貴賤なく等しく三年なのは、天下の通喪として常識になっている。予(=宰我)は幼少の頃、生まれて三年間、ちゃんと父母から愛情を受けなかったのだろうか。

【解説】宰我が孔子の話しに受け答えせずに部屋を出たことに対してと、親を思う心が薄いことを兼ねて、不仁だと云ったのだ。

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最終更新日:令和02年10月21日 学易有丘会
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