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漢文として楽しむ論語 子路第十三 2/5

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4(306) 樊遅請學稼…

樊遅( はん ち ) (こう )(まなびんことを)(かを )子曰( しの の玉わく)(われ ) ()(しか )老農( ろう のうに)(こう )(まなびんことを) (つくることを)(ほを )(の玉わく)(われ ) ()(しか )老圃( ろう ほに )

【書き下し】樊遅、稼を学びんことを請う、子の曰く、吾れ老農に如かず、圃為ることを学びんことを請う、曰く、吾れ老圃に如かず、

【訳】樊遅が穀物の栽培について学びたいから教えてほしいと願った。先生が仰った。私は穀物栽培を熟知したベテランには及ばない。野菜の栽培について学びたいから教えてほしいと願った。先生が仰った。私は野菜栽培を熟知したベテランには及ばない。

【解説】稼は主食となる穀物を栽培すること。圃は野菜等を栽培すること。

樊遅出( はん ち いでぬ)子曰( しの の玉わく)小人哉(しょう じん なるかな) 樊須( はん しゅ )也、

【書き下し】樊遅出ぬ、子の曰く、小人なるかな樊須、

【訳】樊遅が退出すると、先生が仰った。樊遅=樊須はまるで小人のようだ。

【解説】樊遅は孔子の弟子、姓は樊、名は須、字は遅子。小人は一般の人民のこと。

(かみ ) (このむときは )(れいを)則民(すなわち たみ ) (なし )(あえて ) (ずということ)1ノ(けいせ)(かみ ) (このむときは )(ぎを )則民(すなわち たみ ) (なし )(あえて ) (ずということ)1ノ(ふくさ)(かみ ) (このむときは )(しんを)則民(すなわち たみ ) (なし )(あえて ) (ずということ)1ノ(もちい )(まことを)

【書き下し】上、礼を好むときは、則ち民、敢えて敬せずということ莫し、上、義を好むときは、則ち民、敢えて服せずということ莫し、上、信を好むときは、則ち民、敢えて情を用いずということ莫し、

【訳】上たる者が礼を好むときは、民は侮らずに上を敬うものだ。上たる者が義を好むときは、施策が宜しきにかなうので、民は背かずに服従するものだ。上たる者が信を好むときは、民は欺くに忍びず人情が厚くなるものだ。

【解説】樊遅ばその時々の思いつきで目先の利益に心を奪われる傾向があった。農業について詳しく知りたいのであれば、君子たる聖賢大学の道を学ぶのを辞め、小人としてどこかの農家にでも弟子入りして農業をやればよい、と戒めたのだ。

(それ )(ごとくなるときは )(かくの)(すなわち) 四方( し ほうの)(たみ ) (きょう)()(ふして) 其子( その こを )(いたる)矣、(いずくんぞ ) (もちいん )(かを )

【書き下し】夫れ、是の如くなるときは、則ち四方の民、其の子を襁負して至る、焉んぞ稼を用いん、

【訳】このように上下の者が感応するのが人間社会なのであって、上の者が礼義信を好むのであれば、遠近四方の人民はこぞって子供を背負ってでもやって来て敬服し、人情が厚く心豊かで穏やかな人間関係をそこに育むものだ。したがって、為政者にどうして農業の実践技術は必要ないのだ。

【解説】襁とは、糸を編んで作った子供を背負う物。人々が安心して農業などに専念できる社会を作ることが為政者の役目である。多くの人々がいれば必ず争いが起こものだるが、その争いを極力避けられる社会にすることが大事なのだ。それが聖賢大学の道である。

5(307) 子曰誦詩三百…

子曰( しの の玉わく)(しょうして)()(  を)(さずくるに )(これを ) (もってすれど ) (まつりごとを ) ()(たっせ)使(つかいして)四方( し ほうに)()(あたわ )專對(ひとり こたえること)(いうとも ) (おおしと) 亦奚( また なんぞ ) 以爲(もって せん )

【書き下し】子の曰く、詩三百を誦して、之を授くるに政りごとを以ってすれども達っせず、四方に使いして、専り対うること能わず、多しと雖も亦た奚ぞ以って為ん、

【訳】先生が仰った。詩三百篇を暗誦していても、政事を授け委ねられてもまともにできず、他国に使いに行っても自分の判断で交渉できないのであれば、そんなに多くの詩を暗誦しても意味がない。

【解説】詩三百は毛詩(詩経)のことで、正確には三百十一篇(ただし内六篇は題名だけが伝わるのみ)。

6(308) 子曰其身正…

子曰( しの の玉わく)其身( その み ) (ただしきときは)(ざれども )(れいせ ) 而行(しかも おこなわる)其身( その み ) (ざれば )(ただしから)(いうども ) (れいすと) ()(したがわ)

【書き下し】子の曰く、其の身、正しきときは、令せざれども、而も行わる、其の身、正しからざれば、令すと雖も従わじ、

【訳】先生が仰った。上に立つ者が、その身を正しくして下を率いれば、号令を待たずに下の者は自ら進んで事を行う。逆に、上に立つ者がその身を正しくしなければ、号令を発しても下の者は従わない。

【解説】正しいとは、常日頃から後ろめたいことをせず、敬信の誠を以って事に当たっていること。心に正しさがなければ、慣例や作法どおりに事を行っていても、下の者はそこに不正を感じ取り、その号令に従う気が起きない、ということである。そんな中、常日頃の不正を反省もせず、武力で無理矢理従わせたり、金品をばらまいて目先を誤魔化して従わせようとすれば、さらに信頼を失うことになり、下の者の心はどんどん離れてしまうものだ。

7(309) 子曰魯衞之政…

子曰( しの の玉わく)魯衞( ろ えいの)政、(まつりごとは ) 兄弟( けい ていなり)也、

【書き下し】子の曰く、魯衞の政りごとは兄弟なり、

【訳】先生が仰った。魯と衞の政事は、まさに兄弟と呼ぶに相応しいほど似ている。

【解説】魯は周公の後、衞は周公の弟の康叔の後なので、そもそもが兄弟国である。しかし血筋的なことだけではなく、両国は共に衰乱して、其の政もまた相似していた。よって孔子はこれを嘆いてこう述べたのだ。

8(310) 子謂衞公子荊…

()(の玉わく)(えいの) 公子荊( こう し けいを)(よく ) (おれり)(しつに)始有曰(はじめ あるときに いわく)苟合矣(いささか あつまれり  )少有曰(すこしき あるときに いわく)苟完矣(いささか そなわれり  )富有曰(さかんに あるときに いわく)苟美矣(いささか うるわし   )

【書き下し】子、衞の公子荊をの玉わく、善く室に居れり、始め有るときに曰く、苟か合つまれり、少しき有るときに曰く、苟か完はれり、富んに有るときに曰く、苟か美し、

【訳】先生が衛の公子の荊についてを評して仰った。善くその家を治めていて素晴らしい。大夫になりたてのときは、家事に必要な道具が未だ揃ってなかったが、おおかた集まったと言った。しばらくして、少し集まったときには、おおかた備わったと言った。すべてが集まったときには、その様子をおおかた麗しいと言った。

【解説】公子荊は衞の大夫、庶子を公子と云う。公子荊は初めて大夫となって家を立てた者なのだが、その家を善く治めたので褒めたのだ。居室とは家を治めること。有とは家事に必要な道具が揃うことを云う。その道具とは、家を運営するための財物、事務用品、蔡具、その他である。家というのは、家庭ということではなく、むしろ今の法人企業のようなものである。苟かとは、大方といった意。道具が足りなくても不満を言わず、身の丈に合う程度に徐々に集め備え、本当にすべてが備わったときにはその様子を麗しく思ったということなのだが、見栄を張らず、欲が少なかったからこそのことだと、孔子は褒めたのだ。

9(311) 子適衞…

() ( ゆく)(えいに)冉有( ぜん ゆう ) (ぼくたり)子曰( しの の玉わく)庶矣(おおいかな  )哉、冉有曰( ぜん ゆうの いわく)既庶(すでに おおし)矣、又何加( また なにか くわえん)焉、(の玉わく)(とましめん )(これを)(いわく)既富(すでに とめり)矣、又何加( また なにか くわえん)焉、(の玉わく)(おしえん )(これを)

【書き下し】子、衞に適く、冉有僕たり、子の曰く、庶いかな、冉有の曰く、既に庶し、又何か加えん、曰く、之を富ましめん、曰く、既に富めり、又何か加えん、曰く、之を教えん、

【訳】先生が衛に行くとき、冉有はお世話係りとして同行した。先生が仰った。衛は人口が多いな。冉有が言った。この多い人口に、何を加えたら、もっとよくなるでしょうか。先生が仰った。もっと富まして安心して暮らせるようにしたい。冉有が言った。人々が富んだら、何を加えればよいでしょうか。先生が仰った。人々に学ぶべきことを教えることだ。

【解説】庶は人口が多いこと。ここでの富ますとは、農業をさらに振興し、衣食を豊かにし、力役租税を薄くすること。しかし富んで安心して暮らせるようになっても、教えなければ禽獣と同じようなもの。よって、師を立てて学ぶべきことを教え、倫理を正しくし、礼義を明らかにするべきだ、ということ。これは王者が天命を受けて世を治めるための大綱である。

10(312) 子曰苟有用我者…

子曰( しの の玉わく)(もし ) (あらば )(もちいること )(われを)者、朞月而( き げつにして  ) 已可(すでに かならん)也、三(ねんに ) (あらん )(なすこと)

【書き下し】子の曰く、苟し我を用いること有らば、期月にして已に可ならん、三年に成すこと有らん、

【訳】先生が仰った。もし私を用いてくれるのなら、ほんの一年でもよい。三年あれば目に見える効果を出せるところだが。

【解説】用いるとは、国を委ねて政を授けることを云う。期月とは、期は歳のひとめぐり、一歳十二ヶ月の間を云う。成るとは、治政が成ってその効果が目に見えるようになること。

11(313) 子曰善人爲邦百年…

子曰( しの の玉わく)善人( ぜん にん ) (おさむること )(くにを)百年、(また ) (べし )(もって ) (つくし )(ざんを ) (すつ )1ノ(さつを)矣、誠哉(まこと なるかな) 是言( この こと )也、

【書き下し】子の曰く、善人、邦を為むること百年、また以って残を勝し殺を去つ可し、誠なる哉、是の言、

【訳】先生が仰った。善人が国を治め、それが百年も続けば、悪しきことをするような人も感化されていなくなり、死刑も必要なくなる。と、昔の人は言ったものだが、これは本当だと思う。

【解説】これは孔子が古語を引用し、その内容に賛同したもの。善人とは、誠に仁を志して、悪しきところがない人を云う。為邦は天下を治めることについて云う。百年とは善人が世々継いで百年もの長い期間を積むこと。勝残とは、残は害すること、残暴して害を及ぼす人をことごとく化して、みな悪しきことを行わないようにすること。去殺とは、民を善に化して死刑を用いないこと。善人は聖者には及ばないが、世を継ぎ、年を積む時には、これだけの功があるものだ、ということ。

12(314) 子曰如有王者…

子曰( しの の玉わく)(もし ) (あらば)王者(おうじゃ)(かならず ) 世而(せいにして  ) 後仁(のちに じんならん)

【書き下し】子の曰く、如し王者有らば、必ず世にして後に仁ならん、

【訳】先生が仰った。もしも聖人たる王者が出現したとしても、人々を仁に化すのに、三十年程度はかかるものだ。

【解説】王者は聖人天命を受けて天子となることを云う。三十年を一世とする。

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最終更新日:令和02年10月21日 学易有丘会
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