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漢文として楽しむ論語 顔淵第十二 2/4

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6(284) 子張問明…

子張( し ちょう) ( とう)(めいを)子曰( しの の玉わく)浸潤( しん じゅんの)(そしり)膚受( ふ じゅの)(うったえ)(ざるを )(おこなわれ)焉、(べからく )(いいつ )(めいと)(のみ )矣、

【書き下し】子張、明を問う、子の曰く、浸潤の譖、膚受の愬、行われざるを、明と謂いつ可からく已、

【訳】子張が智の明らかなことについて質問した。先生が仰った。水に浸してだんだと潤うように、ジワジワと謗られたり、皮膚に直接突き刺さるように訴えられたりすることを行わないのが、明と謂うべきことだ。

【解説】子張はいわゆる秀才だが、他人の感情に配慮しない傾向があったので、その戒めを以って、孔子はこう答えたのだ。

浸潤( しん じゅんの)(そしり)膚受( ふ じゅの)(うったえ)(ざるを )(おこなわれ)焉、(べからく )(いいつ )(えんと)(のみ )矣、

【書き下し】浸潤の譖、膚受の愬、行われざるを、遠と謂いつ可からく已

【訳】しかし、水に浸してだんだと潤うように、ジワジワと謗られたり、皮膚に直接突き刺さるように訴えられたりすることを行わないのは、なかなかできることではないから、遠と謂うべきでもある。

【解説】ほぼ同文だが最後の方の一文字、明と遠だけが違う。遠とは明かなることが遠くして、なかなかできないことを云う。

7(285) 子貢問政…

子貢( し こう ) ( とう)(せいを)子曰( しの の玉わく)(たらし)(しょくを)(たらし)(へいを)(たみ )(しんず)(これを)矣、

【書き下し】子貢政を問う、子の曰く、食を足らし、兵を足らし、民之を信ず、

【訳】子貢が政について質問した。先生が仰った。政府に必要な食糧を充足し、軍備を充足するとともに、君主が人民から信頼されることだ。

【解説】およそ政をするには、政府に必要な食糧を充足し、国を守る軍備を整える。また、人民を教えるには、まず君主が自ら身を修めて、人々を導くものである。そうであってこそ、人民は君徳を信じ、背き離れることはないのだ。

子貢曰( し こうの いわく)(かならず ) (ずして)()(やむを)(すてば)(おいて)斯三者( この さん しゃに) 何先(いずれかを さきにせん)(の玉わく)(すてん)(へいを)

【書き下し】子貢の曰く、必ず已むを得ずして去てば、斯の三者に於いて何れか先にせん、曰く、兵を去てん、

【訳】子貢が言った。止むを得ずこの三つのうちのどれかを捨てないといけない場合、どれを先に捨てるべきでしょうか。先生が仰った。軍備を捨てることだ。

【解説】食糧があって民の信頼が厚ければ、軍備がなくても、民衆に国を守ろうとする固い意志が育まれるということ。

子貢曰( し こうの いわく) (かならず ) (ずして)()(やむを)(すてば)(おいて)斯二者( この に しゃに) 何先(いずれかを さきにせん)

【書き下し】子貢の曰く、必ず已むを得ずして去てば、斯の二者に於いて何れか先にせん、

【訳】子貢が言った。止むを得ず残りの二つのうちのどちらかを捨てないといけない場合、どちらを先に捨てるべきでしょうか。

【解説】国にとって、食糧と民の信頼、どちらが大事なのか。

(の玉わく)(すてん)(しょくを)(より )(いにしえ ) (みな ) (あり )()(たみ ) (なくば)(しん ) ()(たた )

【書き下し】曰く、食を去てん、古より皆、死有り、民、信無くば立たず、

【訳】先生が仰った。政府に必要な食糧を捨てることだ。昔から人は皆、いつかは死ぬ。人民は君主を信頼できなければ、いつ何か起きるかわからず、不安で何もできない。したがって、自分が飢え死にしても、人民から信頼されることが大事なのだ。

【解説】政をする者は、自ら人民を率いて、死を以って相共に信を守るべきであって、如何なる危急のときにあっても、信を第一にしなければいけない、という戒めである。

8(286) 棘子成曰…

棘子成(きょく し せいが) (いわく)君子( くん しは ) 質而已(しつならく   のみ )矣、(なんぞ ) (もってすることを )(ぶんを ) (せんや)

【書き下し】棘子成が曰く、君子は質ならく已、何ぞ文を以ってすることを為んや、

【訳】棘子成が言った。君子の君子たるところは質朴なるのみである。なんで文華を用いることをするのか。

【解説】棘子成は衛の大夫。子成は文が質より過ぎたることを憎んでこう云った。

子貢曰( し こうの いわく)惜乎(おしいかな  )夫子( ふう しの )(せつは) 君子( くん しなり)也、(しも ) ()(およば)(したに)

【書き下し】子貢の曰く、惜しいかな、夫子の説は君子なり、駟、舌に及ばず、

【訳】子貢が言った。惜しいが子成の説の君子には同意しかねる。言葉は慎まなければいけない。

【解説】ここで云う夫子は子成のこと。駟は車を曳く四頭の馬を云う。一度口に出したことは四頭立ての馬車でも追いつけない=言葉は慎まなければいけない、という意。

(ぶん ) (なお/ごとし )(しつの)也、(しつ ) (なお/ごとし )(ぶんの)也、虎豹( こ ひょうの)(つくりかわ)(なお/ごとし )犬羊( けん ようの)(つくりかわの)

【書き下し】文は猶質のごとし、質は猶文のごとし、虎豹の鞟、猶犬羊の鞟のごとし、

【訳】文があって質があり、質があって文があるのだ。虎や豹の毛皮は美しいが、文=毛をむしり取ってしまえば犬や羊の皮と何ら変わらないではないか。

【解説】雍也第六16に文質彬彬という言葉があるように、文と質の調和が大事なのだ。

9(287) 哀公問於有若…

哀公( あい こう ) (といて)有若( ゆう じゃくに)1 (いわく)(とし ) 饑用(いいうえして ) ()(たら )如之何( いかんかせん )

【書き下し】哀公有若に問いて曰く、年饑して足らず、如何かせん、

【訳】哀公が有若に質問して言った。飢饉で政府に必要な食糧が足りないとき、どうしたらよいだろうか。

【解説】有若は孔子の弟子、字は子有、有子ともいわれた。

有若( ゆう じゃく ) 對曰(こたえて いわく)(なんぞ/ざるや )(てっせ)乎、(いわく)二吾猶(ふたつだも われ なお ) ()(たら )如之( いかん ) 何其(なんぞ それ ) (てっせん)也、

【書き下し】有若対えて曰く、盍ぞ徹せざるや、曰く、二つだも吾れ猶足らず、如ん何ぞ其れ徹せん、

【訳】有若が答えて言った。なんで昔のように税を十分の一にしないのか。哀公が言った。十分の二でも足りないのに、なんで十分の一に減らするのか。

【解説】徹は周の時代の税法で、収穫の十分の一を税として国に納めること。ちなみに夏の時代は貢、殷の時代は助と云い、周では徹と云った。時代によって名は異なるが、大概十分の一だった。それが時代が進み、魯の宣公以後は、十分の二に増えていた。不足ならば、税を十分の一にして国用を倹約して民用を増やせということ。

對曰(こたえて いわく)百姓足(ひゃく せい たらなば)君孰與( くん たれと ともにか ) (ざらん)(たら )百姓(ひゃく せい ) (ざるは)(たら )君孰與( くん たれと ともにか ) (たらなん)

【書き下し】対えて曰く、百姓足らなば、君孰と与にか足らざらん、百姓足らざるは、君孰の与にか足らなん、

【訳】有若が答えて言った。百姓が足りているのならば、国君は誰と共に足りないことを嘆くのか。百姓が足りていないのならば、国君は誰と共に足りていることに安堵するのか。

【解説】国用の食糧が足りなくても百姓=民の食糧が足りていれば、国は安穏にして国君の政事に何ら支障はない。国用の食糧は足りても百姓=民用の食糧が足りなければ、人民は反発して暴動の引き金にもなり、国君の位も危うくなる。有若は十分の二でも足りないことはよくわかっていたが、国が一方的に税を引き上げるのではなく、君民一体となって凶作を乗り越える手立てを探ることが大事だとして、こう云ったのだ。

10(288) 子張問崇徳辨惑…

子張( し ちょう) (とう )(たかくして )(とくを ) (わかつことを)1ノ(まどいを)

【書き下し】子張、徳を崇くして、惑いを弁つことを問う、

【訳】子張が徳を積んで崇くして、惑いを断って疑わない道を質問した。

【解説】徳が崇くなれば惑いを弁つことができるわけではないので、以下のように二つに分けて孔子は答えた。

子曰( しの の玉わく)(しゅとし )忠信(ちゅう しんを)1 (うつるは )(ぎに )(たかくするなり) (とくを)也、

【書き下し】子の曰く、忠信を主とし、義に徒るは、徳を崇くするなり、

【訳】先生が仰った。忠と信とを旨とし、義を見てすぐに行動することで、徳は日々積み重なる。これが徳を崇くする道だ。

【解説】忠は誠実、決して自分も人も裏切らないこと。信は信用信頼。

(あいし)(これを ) (ほっし)其生( その せいを)(にくんで)(これを ) (ほっす)其死( その しを )(すでに ) (ほっし)其生( その せいを )(また ) (ほっするは)其死( その しを )是惑(これ まどいなり)也、

【書き下し】之を愛し其の生を欲し、之を悪んで其の死を欲す、既に其の生を欲し、又其の死を欲するは、是惑いなり、

【訳】愛する人には長く生きて欲しいと願い、憎む人には早く死んで欲しいと願う。長生きを願ったり、早死にを願うことが惑いである。

【解説】愛と憎しみが惑いの根本だということ。悪は憎しみの最大級を意味する字。

(まことに) ()以富(もって とま )亦祇( また まさに ) 以異(もって あやしまる)

【書き下し】誠に以って富まず、亦祇に以って異しまる、

【訳】そもそも人の死生を欲しても意のままにならないことは、富を求めても富むことなく、逆に人から怪しまれるようなものだ。

【解説】この誠不以富、亦祇以異は錯簡で、もともとは季子第十六12の齊景公有馬千駟から始まる文にあったものが、この次にも齊景公の字があるので、誤ってここに挿入されたのではないかとも云われている。

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最終更新日:令和02年10月21日 学易有丘会
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