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漢文として楽しむ論語 泰伯第八 3/3

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泰伯第八 1/3 2/3 3/3

16(200) 子曰狂而不直…

子曰( しの の玉わく)狂而(きょうにして ) ()直、(ちょくなら  ) 侗而(とうにして ) ()(げんなら)悾悾而( こう こうとして ) (ざるは)(しんなら)(われ ) ()(しら )(これを)矣、

【書き下し】子の曰く、狂にして直ならず、侗にして愿ならず、悾悾として信ならざるは、吾れ之を知らず、

【訳】先生が仰った。志がとても高くても真っ直ぐではなく、無知でも律儀ではなく、無能でも誠実でない、という人を私は知らない。

【解説】狂は志がとても高いことを云う。直はよそ見しないでまっすぐなこと。侗とは無知な様子。愿は謹厚にして常を守る律儀な様子。悾悾は無能なこと。志が高ければ真っ直ぐでなければいけない、無知ならばせめて律儀に言われたとおりに行わなければいけない、無能ならせめて誠実でなければけいない、という戒めを込めた言葉である。

17(201) 子曰學如不及…

子曰( しの の玉わく)(がくは ) (ごとくして)(ざるが)(およば)(なお ) (おそれよ) (うしなわんことを)(これを)

【書き下し】子の曰く、学は及ばざるが如くして、猶これを失わんことを恐れよ、

【訳】先生が仰った。学問は先に学んだ人と同じレベルに追いつこうと努力することが大事だ。休むと、あるいは先に学んだ人はさらに先へ進み、自分は置いてきぼりにされて、やがて先に学んだ人は遠い彼方の存在となって見失うことにもなる。そうなることを恐れ、そうならないように励むことだ。

【解説】これは学問を志す人への戒めである。

18(202) 子曰巍巍乎…

子曰( しの の玉わく)巍巍乎( ぎ ぎ こたり)舜禹(しゅん う )(たもって)天下( てん かを )也、而(ざること )(あずから)焉、

【書き下し】子の曰く、巍巍乎たり、舜禹の天下を有って与らざること、

【訳】先生が仰った。舜と禹は、なんと至高の徳を備えているのだろう。天子となっても富貴を楽しみとせず、天子となる以前と同じレベルの生活を続けていた。

【解説】巍巍とは徳が至って高大な様子。天子となったとのなら、生活も豪華にするところだが、舜と禹は驕らずに、それまでどおりの生活をしていたことを称賛しているのだ。

19(203) 子曰大哉堯之爲君也…

子曰( しの の玉わく)大哉(おおいなるかな )(ぎょうの)(たること)(くん )也、巍巍乎( ぎ ぎ ことして)唯天( ただ てんのみ ) (なす )(おおいなりと)唯堯(ただ ぎょうのみ ) (なぞらう)(これに)

【書き下し】子の曰く、大いなる哉、堯の君為ること、巍巍乎として、唯、天のみ大いなりと為す、唯、堯のみ之に則らう、

【訳】先生が仰った。なんと偉大なのだろう。堯の君たることは。至高の徳を備えたものは天のみだが、ただ、堯だけはその天と並び称せられる徳を備えている。

【解説】ここでは帝堯の徳を称賛している。

蕩蕩乎( とう とう ことして)(たみ ) (なし )(よく ) (なづくること)焉、巍巍乎( ぎ ぎ ことして)(それ ) (あり )成功( せい こう )也、煥乎( かん ことして)(それ ) (あり )文章( ぶん しょう)

【書き下し】蕩蕩乎として、民、能く名づくること無し、巍巍乎として、其れ成功有り、煥乎として、其れ文章有り、

【訳】その徳は広遠さは、人々が名をつけて表現できないくらいだ。その至高の徳によって、いろいろな事業を成功させ、輝く光明としては、礼楽法度などの文章を整えたことである。

【解説】蕩蕩は広遠なこと。煥は光明のこと。

20(204) 舜有臣五人…

(しゅん) (ありて)(しん )五人、而天下治( てん か おさまる)武王曰( ぶ おうの の玉わく)(われ ) (あり )亂臣( らん しん )十人

【書き下し】舜、臣五人有りて、天下治まる、武王の曰く、予れ乱臣十人、

【訳】舜には五人の臣があり、彼等の活躍で天下が治まった。武王が仰った。私には臣が十人いて。彼等によって天下が治まった。

【解説】舜は古の五帝の最後。四番目の堯より位を受け継ぎ天下を治めた。その舜の臣の五人は()(しょく)(せつ)皋陶(こうよう)伯益(はくえき)。乱臣は治臣のこと、漢文にたまにある通常とは正反対の意を持つ反訓と呼ばれる用字法。武王は周の文王の子で、殷を倒して周王朝を樹立した人物。武王の臣の十人は周公旦(しゅうこうたん)召公奭(しょうこうせき)太公望(たいこうぼう)畢公(ひつこう)榮公(えいこう)太顚(たいてん)閎夭(こうよう)散宜生(さんぎせい)南宮适(なんきゅうかつ)、と武王の后の邑姜(ゆうきょう)

孔子曰( こう しの の玉わく)(さい ) 難、(かたしという ) (ずや )其然( それ しから)唐虞( とう ぐの )際、(あいだのみ  ) (より )(これ ) ()盛、(さかんなりと ) (あり )婦人( ふ じん )焉、九人而(のみ )

【書き下し】孔子の曰く、才難しという、其れ然らずや、唐虞の際だのみ、斯れ於より盛んなりと為す、婦人有り、九人のみ、

【訳】孔子が仰った。才徳のある人を得るのは難しいというが、誠にそのとおりだ。人材が豊富だったのは唐虞の頃だった。それ以降では周初の武王の臣十人だが、ひとりひとりの才徳の程度を勘案すれば舜の五人のほうが優っていた。しかも、周初の十人のうち一人は婦人であって、男性は九人だけだった。

【解説】これは武王の語について論じている。唐は堯の時代の号、虞は舜の時代の号。

()(ぶんして) 天下( てん かを )(たもちて)其二( その ふたつを)(もって) ( ふく)()(じす ) (いんに)(しゅうの)(とくをば)(それ )(べからく)(いう )至徳( し とくと)(のみ )矣、

【書き下し】天下を三分して其の二つを有ちて、以って殷に服事す、周の徳をば、其れ至徳と謂う可からく已、

【訳】殷末の時、周の武王の父の文王は、天下を三分割して、そのうちの二つを有していたが、それでも殷の紂王に順い服して逆らわなかった。周の文王の徳は、まさに至徳と称えるべきである。

【解説】孔子の言葉が続く。古は天下を分けて九州とした。殷末には、そのうち(けい)(りょう)(よう)()(じょ)(よう)の六州がみな紂王に背き、文王についた。ただ、(せい)(えん)()の三州だけは紂王に従っていた。ちなみに現代日本に照らして言えば、憲法改正審議に必要な三分の二の賛成を得たが、まだ機が熟していないとして改正を踏みとどまった、といった感覚だったのかもしれない。

21(205) 子曰禹吾無間然矣…

子曰( しの の玉わく)(うは ) (われ ) (なし )間然(かんすること )矣、

【書き下し】子の曰く、禹は吾れ間すること無し、

【訳】先生が仰った。禹には私が批判する余地は何もない。

【解説】間するとは、批判すること。関すること無しで、批判することがまったく無いという意。間然の然は日本語として訳す必要のない字。禹は周が手本としたのだから、孔子としても批判する余地はないのだ。

(うすくして)飮食( いん しょくを)、而(きわめ)(こうを)鬼神( き しんに)(あしくして)衣服( い ふくを)、而(いたして)(びを )黻冕( ふつ べんに)(いやしくして)宮室( みや むろを)、而(つくす)(ちからを)溝洫( こう きょくに)

【書き下し】飲食を菲くして、孝を鬼神に致め、衣服を悪しくして、美を黻冕に致して、宮室を卑しくして、力を溝洫に尽くす、

【訳】常の飲食を粗末にして、孝を鬼神に極めようと、祭祀の供物を豪華にした。常の衣服を粗悪にして、祭礼の衣冠の華美を極めた。常の住居は質素にして灌漑の水路のために尽力した。

【解説】ここでは禹の見習うべき功績を列挙する。黻は膝覆い、冕は玉の冠、溝洫は灌漑用の水路、溝は小さいもの、洫は大きいもの。

(うは ) (われ ) (なし )間然(かんすること )矣、

【書き下し】禹は吾れ間すること無し、

【訳】禹には私が批判する余地は何もない。

【解説】最後にもう一度冒頭の言葉を繰り返し、禹を称賛する。

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最終更新日:令和05年01月28日 学易有丘会
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